ブロックチェーンは言論の自由を守れるか?

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言論の自由は多くの人にとって重要な問題です。

そして規制当局などによる「検閲」の脅威は、今日、かつてないほど明らかになっています。ブロックチェーン・コミュニティからはどのようなソリューション(問題解決の方法)が提供されているのでしょうか?
また、検閲に強いプラットフォームを持つとはどういうことなのでしょうか?

数多くのブロックチェーンプロジェクトが検閲の問題に対処するために存在しています。
Dust、Session、Riotのようなメッセージング・プラットフォームなどです。

しかし、これらのシステムがどのように機能するのかを探り始めると、「ブロックチェーンのビット(基本単位)」を理解するのに苦労することがよくあります。

メッセージ機能を持つアプリにはリアルタイムの応答性が必要です。
そして、ほとんどの人は、たとえ暗号化されていたとしても、チャットや利用可能なファイルがブロックチェーン上に保存されることを望んでいません。

Dustは、そのコインで「“良い”メンバー」には報酬を与え、プラットフォームを悪用・乱用する人たちに対してはより割高になるような対応にしています。
では、何が悪用で何が悪用でないかをプラットフォームはどのように判断しているのでしょうか?
それは、中央集権的なシステムではないかもしれませんが、検閲に強いとは思えません。
誰か、あるいはその誰かのグループがそれらの決定をしているのです。

次に、ブロックチェーンベースのソーシャルメディアプラットフォームを紹介します。
これらのシステムの大部分は「ブロックチェーンベース」であることを誇っています。
繰り返しになりますが、ブロックチェーン技術がどのようにアーキテクチャに使用されているかの詳細を見つけるのは容易ではありません。

ソーシャルメディア(SNS)のプラットフォームには、上記の専用メッセージングシステムと同様のメッセージ機能が一般的に含まれています。
また、写真やビデオなど、より充実したコンテンツを投稿したり共有したりする機能も必要です。

今日の市場においては優れた分散型ファイルシステムがいくつかあります。
しかし、ソーシャルメディアネットワークの取引量やファイルサイズのニーズに対応できるものはほとんどありません。
また、検閲を回避できるものはほとんどありません。(ほぼ何かしらの検閲を受けていると思ってよいでしょう。検索で上位表示されない、SNSのタイムラインで紹介・表示されない、等)

ブロックチェーン技術がどのように使用されているかの詳細を見つけるのは簡単ではありません。

「不変性」の特徴はブロックチェーンの中核的な原理です。
ブロックチェーンに書き込まれたデータは、改ざんが明らかになるような書き方で記載されているので、永久的というほどではありません。
もし検閲者がネットワークを通じてデータを削除したいと思ったら、それは可能です。

システムはデータが編集されたり削除されたりした場所を表示しますが、それを止めることはできません。
繰り返しになりますが、ブロックチェーン技術が検閲との戦いにどのように役立つのかは不明です。

ドメインネームサービス(DNS)と呼ばれるグローバルシステムは、インターネットの機能の鍵を握っています。
DNSシステムは、読める名前( crypto****.io )を、ウェブサイトが存在する場所を示す一連の数字に変換します。

DNSは中央集権的なシステムであり、裁判所や政府は、トラブルに巻き込まれた場合、特定の名前の問い合わせへの回答を停止するようネットワークに要求することができます。検閲のための力は弱いツールですが、それでも機能はします。

以下に紹介する、少なくとも2つのブロックチェーンプロジェクトでは、名前から番号へのマッピングのための情報がブロックチェーンに存在しています。

データ量はそれほど負担にならず、ネットワークは1時間に何億ものクエリを処理できるように設計されています(広く採用されれば)。
しかし、まだまだこれからが本番です。

1つのシステム、Ethereum Name Service(ENS)は、読みやすい名前と、長くて複雑な公開鍵をマッピングします。この情報はEthereumブロックチェーン上に保存されるため、分散化、不変性を実現しています。

ENSはサイトのホームページで、彼らのアーキテクチャは現在、少数の人々が集合的に合意して、アドレスの無効化などシステム全体に影響を与える変更を行うことができるところに戻ってきている、としています。

また、ENSは無料ではありません。支払いを集めるための中央集権的な機能があり、支払いを行わないとマッピングが無効になります。

どちらのシステムも、現在のDNSシステムと同じ検閲が適用される可能性があります。いまだに社会が線引きをしています。

言論の自由はヘイトスピーチであれば許されません。

言論の自由は、誤った考えや情報を宣伝する場合に制限されます。そして、そのような場合でも、社会は検閲する方法を望んでいる(必要としている)のです。

この点は、ブロックチェーン技術が「何ができるか」と「何をすべきか」に焦点が当てられているときには、しばしば失われてしまいます。

数多くの研究で、人工知能(AI)は自身のデバイスに任せると、ますます攻撃的になり、(事実上)暴力的になる可能性があることが示されています。
この行動はアルゴリズムに起因するものかもしれませんし、AIを訓練するために使用されたデータセットに組み込まれたバイアスかもしれません。

私たちはまた、モデレーション(チェック管理機能)がほとんどないソーシャルメディアのプラットフォームも見てきました。これらのプラットフォームの多くは、否定、悪用、陰謀論、そしてより悪いものへと堕ちていく言説を許しています。

もし本当に検閲に強いように設計された分散型のシステムがあるならば、私たちは十分に認識し、準備しなければなりません。

それらのシステムが、ある国民・国家が議論したくないような不愉快な真実だけでなく、あらゆる種類の分裂性や否定性で満たされたものになる可能性があります。(言いたい放題に…)

今日では、ブロックチェーンは、検閲に強いメッセージ機能やソーシャルメディア、インターネットシステムにとって重要な要素ではありません。
ほとんどの場合、キーとなる技術は暗号化とピアツーピア(P2P)・ネットワーキングです。

システムを本当に検閲に強いものにするために適切なユースケースが出てきたら、意図した結果と意図しない結果を理解するために細心の注意を払う必要があります。

原文: Censorship – Can Blockchain Help?

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