イーサリアムのハードフォークが完了!イスタンブールとは?

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■ イーサリアム/イーサとは

イーサリアム(Ethereum)とは、スマートコントラクトを用いた分散型アプリケーション構築のためのプラットフォームのことで、プラットフォーム内で使用されている通貨をEther(イーサ,ETH)と呼びます。

注)
『イーサリアム=仮想通貨』という認識の方が多いかと思いますが、実際は以下の通りです。

「イーサリアム=プラットフォーム」
「Ether=仮想通貨」

 →取引所で取り扱いがされているのが、Ether(以下「ETH」)です。

この記事では、混乱を防ぐため、プラットフォームのことを「イーサリアム」、イーサリアムの仮想通貨のことを「ETH」と記載します。

イーサリアムとは、「イーサリアム≠仮想通貨」で、分散型アプリケーションのためのプラットフォームということはご理解いただけたかと思います。

では、分散型アプリケーションとは何でしょうか。

分散型アプリケーションとは?

分散型アプリケーションとは、企業や銀行などの中央管理者がいなくても自律して稼働する、アプリケーションのことです。

アプリケーションとは、コンピューター上で特定の作業をするために使用されるソフトウェアのこと。

ワープロソフト、表計算ソフト、Webブラウザ、電子メールソフト、ゲームなどがある。

現在、スマートフォンなどで利用する、FacebookやLine、パズドラと言った多くのアプリには管理者が存在し、情報を一括管理し、仕様変更などの決定権を保持しています。

一方、DAppsでは、中央管理者がおらず、アプリケーションを利用する参加者みんなで、データを分散管理し、仕様変更などの意思決定に関わることが可能です。

イーサリアムは、このようなアプリケーションを構築するためのプラットフォームで、すでに数千種類ものDappsが構築されています。

ここまでで、イーサリアムの概要について簡単に紹介してきました。

次の段落からは、イーサリアムなどの仮想通貨でよく聞くハードフォークについて解説していきます。

■ ハードフォークとは

ハードフォークとは、簡単にいうとブロックチェーンの分裂を引き起こす仕様変更のことで、下記の3種類のハードフォークがあります。

①コインの分裂を引き起こすハードフォーク
  → イーサリアムクラシックやビットコインキャッシュが誕生したハードフォークが該当。
②アルトコイン生成のためのハードフォーク
③アップデートのためのハードフォーク

ハードフォークをおこなう目的としては次のようなことが挙げられます。
仮想通貨の取引量が膨大になると取引の承認(PoW)が追い付かず、取引の大幅な遅れや手数料の高騰につながります(スケーラビリティ問題)。そのため、ブロックサイズを変更するなどの仕様変更をおこないます。
また、ハッキング被害が発生した際に仮想通貨を無効化し、セキュリティ改善を目的とした仕様変更をおこなうこともあります。
その際、仕様変更に対してシステム参加者の賛否の意見が割れた場合、ハードフォークをおこない、独立した2つのブロックチェーン(仮想通貨)として存続していきます。

イーサリアムでは過去に、DAO事件(DAOプロジェクトでのハッキングによる被害)に端を欲するコインの分裂を引き起こすハードフォークが起きました。

そして、イーサリアムでは、下記の4つのアップデートのためのハードフォークがあらかじめ予定されています。

1段階目:Frontier(フロンティア)
2段階目:Homestead(ホームステッド)
3段階目:Metropolis(メトロポリス)
4段階目:Serenity(セレニティ)

上記の4つのハードフォークの内容について、それぞれ簡単に紹介していきます。

Frontier(フロンティア)とは

Frontierとは、2015年7月末に実施されたハードフォークのことで、イーサリアムの開発者向けに行われました。

Frontierの目的は、正式リリース前の実証実験としてバグの修正やスマートコントラクトの機能テストを行うことでした。

Homestead(ホームステッド)とは

Homesteadとは、2016年3月に実施されたハードフォークのことです。

Homesteadの目的は、マイニング難易度の調整や手数料(GAS)の引き上げ、スマートコントラクトの改善でした。

なお、Homesteadとイーサリアムクラッシクが生まれるきっかけとなったハードフォークは別のモノなので注意してください。

Metropolis(メトロポリス)とは

Metropolisとは、イーサリアムの3回目のハードフォークのことなのですが、Byzantium(ビザンティウム)とConstantinople(コンスタンティノープル)という2段階のハードフォークによって実現されます。

Byzantium(ビザンティウム)とは

 Byzantiumとは、2017年10月に行われたMetropolisの1段階目のハードフォークのことです。
 Byzantiumは、コンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSへの移行準備をするために行われました。

Constantinople(コンスタンティノープル)とは

 Constantinopleとは、Metropolisの2段階目のハードフォークのことです。
 Constantinopleでは、イーサリアムのマイニング難易度の調整(ブロックのハッシュの生成方法の調整)やEVM(Ethereum Virtual Machine:機械語への翻訳機能)の計算速度の向上、マイニング報酬の調整をおこなう予定です。

Serenity(セレニティ)とは

Serenityとは、イーサリアムの4回目のハードフォークのことです。

Serenityが完了すると、コンセンサスアルゴリズムがPoWからPoSに完全に移行します。

■ イーサリアムのハードフォーク「イスタンブール」とは

イスタンブールとは、イーサリアムの大型アップデートのことで、12/8にブロック高が9,069,000に到達した時点で行われました。

今回のイスタンブールで行われたアップデートの内容は下記の通りです。
① 仮想通貨Zcashとの相互運用の実現
② 不正な攻撃に対する安全性の向上
③ 手数料(GAS)の消費量の見直し

このイスタンブールによるシステムのバグなどは特に見られず、無事実装が完了したようです。

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