
ICO(Initial coin offering(ICO、イニシャル・コイン・オファリング))による新規の仮想通貨発行について注意していただきたい点をまとめました。
※ICO: 一般に、企業等が”トークン”と呼ばれるものを電子的に発行して、公衆から法定通貨や仮想通貨/暗号通貨の調達を行う行為を総称するもの(Wikipediaより)
現在、日本での仮想通貨は、ほぼICOによる新規発行と言える状況です。
そのため、
「新規の仮想通貨発行・購入=ICO」と思っている方が多いようですが、開発元が自身の資金で仮想通貨を開発して流通させているものもあります。
さて、ICOは、投資者を募って通貨を開発します。
投資家への見返りは、その通貨の値上がり益しかありません。株のように配当金や株主優待がないのです。
なので、開発のリスクを投資家に負わせているにも関わらず、果たして対価として十分なのか?疑問が残ります。
ちなみに、ICOで投資を募るにあたっては、資金援助を受けるわけですので、投資家にその内容を説明するための”ホワイトペーパー”が提示されます。
ICOではなく開発者の自己資金によって開発済みの仮想通貨については用意されていないものもあります。
投資家としては、余計なリスクを負いたくないので、本来であれば自己資金開発のコインに投資したいところです。
しかし、そのような通貨がほとんどないのが残念です。
さらに、完全にオープンな市場でいきなりコインをリリースすると、短期的な投機によって価格が乱降し、危なかしくて手を出しづらいこともあります。
なので、初期段階ではある程度限定された市場のみで、限定された枚数で売買開始するなどで、投資家保護に配慮しているコインもあります。
以下では、ICOでの投資にあたっての注意すべき点をご紹介したいと思います。
ICOとは何か?
ICOとは、「イニシャル コイン オファリング」の略で、企業が打ち出した様々なプロジェクトを実行するため、仮想通貨を発行して資金を調達する方法です。
クラウドセールやトークンセールと言われることもありますが、意味は同じです。
ICOの資金調達方法は、企業や個人がブロックチェーンの技術を利用して、発行したトークンと呼ばれる独自通貨を投資家が企業から買うことで、企業は資金を調達しています。
ICOを行うメリットとは?
まずは、ICOに投資する投資家にとってのメリットをまとめてみました。
少ない金額でも世界中のICOに参加ができることやネットで参加ができ個人で投資ができます。
ネットなので、パソコン、スマホなど好きなタイミングではじめられるのがよいですね。
トークンによっては特典を受けることもでき、投資した事業が成功すると大きな利益が得られることが挙げられます。
ICOを始める1番の理由は、この点ではないでしょうか。
このようにICOは制約がほとんどないため、あなたが気になったICOにどんどん参加できます。
気軽に参加できるため、運が良ければ大きく稼げるチャンスがあると言えるのではないでしょうか。
次に事業者のメリットをまとめてみました。
ICOは株式のような上場するために証券取引所からの審査を受ける必要がありません。
第三者が関与せず投資家と直接のやり取りができるため、手数料を安く抑えることもできます。
投資を受けた金額も返す必要はありません。
資金調達をする過程が既にプロダクトの宣伝広告を兼ねていて効率がいいです。
このことから起業したばかりのベンチャー企業や個人もICOのトークン発行が簡単にでき、信用や与信能力が必要な銀行の借入や新株の発行よりも簡単に行えるのがICOのメリットと言えます。
ICOのやり方
ICOで使用するための仮想通貨を購入する。
ICOのトークンを購入するには、ビットコインやイーサリアムなど、それぞれのICOに指定された仮想通貨を仮想通貨取引所(販売所)から購入しなくてはいけません。
取引所の登録をしていない方は、ビットバンクやGMOコインなど取引所の登録をして下さい。
仮想通貨の購入は24時間いつでも購入できますが、相場で通貨の購入価格が変わります。
相場が安い時により多くの仮想通貨を購入すれば同じ資産でもトークンがたくさん購入できるので、少し日数の余裕をもって仮想通貨の購入するのをおすすめします。
ICOで使用するウォレットを準備する
ICOのウォレットは、仮想通貨取引所で使用しているウォレットでは、送受金等に不具合が出る恐れがあるため、イーサリアムウォレットであるメタマスクでウォレットを作成しましょう。
ICOはイーサリアムのシステムを応用し使用しているプロジェクトが多いためイーサリアムのウォレットを持っていると便利なので、イーサリアムウォレットのアカンウト作成をおすすめします。
トークンの購入時期について
仮想通貨を購入し、専用ウォレットを作成したら、いよいよトークンの購入ができるようになりました。
トークンの購入時期は、プレセールとクラウドセール、仮想通貨取引所に上場してからの販売の3種類に分けられます。
プレセールが1番最初にトークンを購入できる期間であり、比較的短い期間での終了が多いです。
先行販売の意味合いが強く、最もトークンを安く買える時期でもあります。
このプレセールは、行われなかったり、期間を分割して行われたりとICOによって異なりますので確認が必要です。
プレセールが終わると、一般販売とも言える、クラウドセールが始まります。
クラウドセールも一定の期間で終了しますが、目標金額が設定されており、プロジェクトを今後進められるかどうかの判断もここで決められます。
プレセール、クラウドセールを行い、仮想通貨取引所にセールスを行い上場されるとトークンの販売は、最終段階になります。
価格は市場で形成されていくようになります。
ICOでの投資にあたっての5個の注意点
事業者と投資家共に制約が少なくお手軽に行えるのがICOのメリットではありますが、ICOを行うにあたって注意しなくてはいけないことがあります。
5個の注意点をあげてみました。
参考になれば幸いです。
1) あなたが気になるICOの情報収集をする。
あなたの大事な資産を運用してICOに投資をするので、よくわからず投資をして後悔をしないように、ICOの情報を集め理解や納得をしてから購入しましょう。
ICOの情報が載っているサイトは、ICO MARKET や COIN JINJA などから気になるICOの情報を収集をするとよいでしょう。
SNSでもICOの情報が熱心に発信されていることも多いので調べて参考にするのもよいかと思います。
信頼できるICOならば何かと話題になっているはずですからね。
開発者の情報も調べておきましょう。
過去にもトークンを開ていれば、そのトークンの現状が分かれば、いま行なうICOの判断基準にもなりますよね。
ICOのホームページにICOの企画書と言えるホワイペーパーが必ず載っています。
ホワイトペーパーには、プロジェクトの内容、今後どのようにプロジェクトを進展させていくか、調達した資金をどのように使うか、開発者の紹介、用語の解説などそのICOがどのようなものかを理解するための参考になります。
ホワイトペーパーをよく読みあなたが納得できるICOかを見極めて下さいね。
2) ICOは詐欺案件が多い
事業者に厳しい制約が少ないICOですが、そのことを利用して、詐欺行為を行う人達もいます。
資金調達をして音沙汰がなくなり、投資家が悔しい思いをすることもあります。
詐欺案件を見分けるのは簡単ではありませんが、確実に儲かるなど聞こえのいい言葉を強調してくるICOは要注意です。
3) 計画倒れ
あなたの資産をだまし取るのが目的の詐欺案件でなくても、ICOは気をつけなくてはいけないことに、そのICOで事業者が資金を十分に調達できなかったり、事業者のやる気がなくなったり、計画が実現不可能となり、中止になってしまうことがあります。
そうなってしまうと、せっかく購入したトークンも全く価値のないものとなってしまうので、事業が停滞していないかの確認にGithubで確認するようにしましょう。
4) 人気があるICOは早く売り切れてしまう。
どこの誰かもよくわからないICOではなく、過去に実績をだしている企業や誰でも知っている企業がおこなうICOは、すぐに売り切れてしまうことが多いです。
詐欺を警戒して詳しく調べることも大切ですが、トークンを手に入れる機会を逃さないようにお気をつけて。
5) 投資は自己責任です。
有名なインフルエンサーがこのICOを勧めていたから、友達が強く推薦してきたからなどと人の勧めでICOを購入した場合でも、最終的に購入したのは自分ですので、投資で損失をだしても自己責任となります。
まとめ
ICOをおこなうにあたっては、以上の注意点を良く理解して始めましょう。
ブロックチェーン技術を利用し、世の中をより便利にしようと様々な取り組みを行っているICO。
実現したら楽しみな案件もたくさんあります。
短期間で大きな利益が見込めるICOは夢があり投資をするのも楽しみですね。
しかし、その一方で、ICO案件はまだまだ詐欺案件が多くあるのが現状です。
法整備が進みそうした詐欺案件が入り込む余地がなくなり、健全な市場が形成されることを強く望みます。